いまどき引越しの挨拶はしない!?食べ物は嫌がられる!?礼儀やマナーとしてこれまで当たり前だった引越しの挨拶。ここでは「いまどき」の引越し挨拶・マナーのリアルな本音を集め、それをもとに本当に喜ばれる引越しの挨拶をご紹介しています。

いまどきの引越しマナーあなたは知ってる?|引越し挨拶の新常識

はじめての引越し挨拶のマナー!のしとは?粗品?購入場所は?

引越し挨拶の現在

引越し挨拶の現在

「引越しそば」という言葉をご存知でしょうか。
引越しの挨拶として新しく引っ越してきた者が近所へ渡す挨拶の品としてとくに選ばれていたのものそれが「そば」だったのです。
ちなみに蕎麦の前はお粥を配っていました。屋移り粥といわれます。

実はこの文化、江戸時代から始まったもの。
そもそも引越しと同時に食べ物を渡す(食す)という行為はさかのぼれば中世(鎌倉~戦国時代)にもあったといわれています。

現在となっては「引越しそば」の文化は見られないものの、引越しには挨拶をするという風習はいまだ残っています。

ただし、その挨拶の様子も時代とともにまた変わってきているようですよ。

今回は引越しの挨拶の新常識をご紹介する前の引越し挨拶のマナー基礎基本をまとめとしてご紹介します。
ぜひ参考にされてください。

引越しの挨拶は必要?

引越しの挨拶は必要?
そもそも引越しの挨拶はするべきなのでしょうか。
まず結論からお話すると「時と場合によるが、挨拶に行くメリットはある」といえます。

実際のところ最近では挨拶をしないというところも増えています。
とくに一人暮らしの多いアパートやマンションがその傾向にあります。
隣にどんな人が住んでいるか知らないということも多々あるようですね。

一方家族の引越しでは挨拶をされることがほとんどのようです。

実際その通りで、家族の引越しにおいて「挨拶」のメリットは大変大きく、可能であれぜひすることをおすすめします。
一軒家であればご近所付き合いが少なからず出てくるでしょう。そしてやはり地域についてくわしいのはご近所さんです。
ゴミ出しや分別、地域の行事についてなど引っ越してきたばかりの情報収集として挨拶の時に聞くこともできます。

またお子さんがいるご家庭ならば親子でお付き合いが発生することも。
ご近所トラブル回避や子どもの付き合いといった意味で大いにメリットはありますし、何かあったときも地域とのつながりがあると思うと安心です。

逆に挨拶の必要がないのが「一人暮らしの女性」です。
なぜなら女性が一人で暮らしていることを知られないためという防犯の意味があるからです。
もし挨拶する場合は家族や友人・知人の男性と一緒にうかがうようにしましょう。

挨拶の範囲や挨拶をする人に関してくわしくはこちらをご覧ください。
「引越しマナー「挨拶」の範囲・どこまでやるべき?」

挨拶の仕方

引越しの挨拶がしたほうが良いというのはわかったけど、何からすればいいの?と思いますよね。
順を追って解説いたします。

引越しの挨拶はいつがベスト?

引越しの挨拶はいつがベスト?
まず引越し挨拶のタイミングとして理想的なのは引越し前日に挨拶をすることです。
当日は引越しのトラックが道をふさいだり、出たり入ったりと物音や話し声が目立つと思います。
事前に引越しすること当日は迷惑をかけることを伝えておくと親切でしょう。
とくに小さなお子さんがいる家庭は子どもが走り回ることもあるかもしれません。

となると前日に挨拶の品を用意する必要がでてきます。

朝や夜の引越し、平日や休日の引越しのときの挨拶はこちらをご覧ください
⇒「引越しの挨拶「適切な時間帯」はいつからいつまで?徹底検証!

引越しの粗品はどこで買う?

引越しの粗品はどこで買う?
もちろんギフトショップもいいですが、おすすめはネット販売です。

相場からおすすめや人気のギフトを簡単に選べ、かつ指定の住所へ届けてくれます。
忙しいときも実際に店舗で選ぶ必要がないため楽チンです。
またギフト用にのしや包装も行ってくれます。

時間が無く当日用意しなくてはならない場合は近くの薬局・ドラックストアもおすすめです。
挨拶の粗品として人気の日用品が購入でき、店舗によってはのしもつけてもらえます。
忙しく引越しの挨拶が当日になってしまったという方におすすめです。

人気の挨拶品ランキング・購入場所に関してくわしくはこちらをご覧ください。
⇒「引越しの「挨拶品」「ギフト」はどこで買うべき?効率的な購入方法

どんな挨拶の粗品を贈るべき?

どんな挨拶の粗品を贈るべき?
引越しの挨拶に贈る「粗品」も定番のものがありましたが、今ではそれも変わっているようです。

一番人気は「生活日用品」
賞味期限も好き嫌いもない、かつあると助かる日用品は最近の挨拶品として人気です。日用品のなかでも消耗品はとくに気兼ねなく使えるためおすすめです。

一昔前は「そば」や「タオル」「洗剤」が人気でしたが、実は以外と喜ばれないケースも…くわしくはこちらをご覧ください。
「新常識!引越しの挨拶に人気のギフト【食べ物編】」
「新常識!引越しの挨拶に人気のギフト【日用品編】」

そして挨拶品の相場も気になるかと思います。くわしくはこちらをご覧ください。
「引越し挨拶のマナーを確認!ギフト・粗品の相場と選ぶときの注意点」

引越しの挨拶はどう渡すのがマナー?

引越しの挨拶はどう渡すのがマナー?
まず引越しの挨拶で来た旨を伝えましょう。
そのあと「隣に越してきた○○と言います。よろしくお願いします。」や前日であれば「明日引越しでご迷惑おかしますが、よろしくお願いします。」など挨拶をしましょう。

長話をする必要はありません。
引き止めるようなことはせず、手短に済ませ、挨拶の品を渡しましょう。

挨拶の粗品にのしがついている場合はマナーとして渡す相手に名前を向けるように渡しましょう。名前を向けるとは相手側から字が読める方向とも言えます。

年配の方や格式の高い相手であれば「心ばかりですがお納めください」と言葉を付け加えるとさらに丁寧です。

不在・留守の場合などはこちらをご覧ください。
「引越しの挨拶マナー「不在」のときってどうするの?対処法まとめ」

引越しの品の「のし」について

のし(熨斗)というのは日本の文化として贈り物に多くつけられる紙です。
アワビ熨しアワビ
のし紙の「のし」は「熨した」アワビ(熨しアワビ)からきています。
アワビを熨して乾燥させたものは保存食として昔はとても貴重なものでした。またアワビ=なまものをつけることで神仏への供えもの、つまり相手へ敬意を表した贈り物であることを示すのが「のし」なのです。

その貴重なものを和紙で包んだ姿を絵としてプリントされている紙が現在の「のし紙(熨斗紙)」であり贈答品につけられるようになりました。

必ずしも「のし」をつけなければいけないということはありません。
つける際はマナーがあるためその点に注意して包装時にお店側へお願いしましょう。

のしの種類に注意

のしの種類に注意
のしにも複数の種類があります。
注目すべきは水引と呼ばれる真ん中のリボンのようなものです。
この水引の結び方やひもの本数で、のしを使う適切なシーンが分かれます。

引越しの場合は「蝶結びの水引」がついているのしにしましょう。
のし
この「紅白蝶結び(花結び)」と呼ばれる蝶結び型の水引は何度あってもうれしい祝い事に使用されます。
「何度でも結びなおすことができる」という意味から蝶結びなのです。

ほかにもお中元やお歳暮などにもお使いいただけます。

のしの書き方

のしの書き方
本来のしは表書きという「何のための贈り物か」という部分と「誰からの贈り物か」という自分の名前を書く部分があります。この両方を黒い墨をつけた毛筆で書き渡すのが正式ですが、印刷で行ったり、書かずに省略することも多いです。

水引より上に書く「表書き」は決まった言葉が入ります。引越しであれば「御挨拶」または「粗品」となります。

水引の下に書く「名前」は贈り主の名前を書きましょう。よく相手の名前を書かなくては、でも知らない!と困っている方がいらっしゃいますが、安心してください。

のしのマナー

のしのマナー
のしをつける位置は包装紙の外側と内側(品物に直接つける)ができます。
外は「外のし」中につけるものは「内のし」と呼び、お店でのしを依頼するときに必ず聞かれると思います。

どちらを使えば良いのという質問がありますが。さまざまな説があります。

①関東近県は「外のし」、西日本は「内のし」が多い
②仰々しくしない、控えめにしたいときは「内のし」
③自分に関するお祝い事や返礼「内のし」
④宅配や運送を利用するなら破損しないように「内のし」

マナー上の注意点として、もし「なまもの」が入っている場合。のしは不要になります。
というのも、すでに述べたように「アワビ」は「なまもの」を代用したもの。
すでになまものであれば「なまもの」をあらわす「のし」がなくとも敬意を表せるとのことですね。

のしのように挨拶のマナーには難しいことや決まり事などおっくうに感じたり、緊張するかもしれません。
ただ、挨拶をすることで気分を害する人はいません。よほどのことでない限り、そのせいで悪いことが起きるということもないでしょう。

その一方で挨拶をしないことで「不満に思う」「不審に思う」という人は少なからずいます。

引越しの際はぜひご近所へ挨拶に行ってみてはいかがでしょうか。

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